https://ameblo.jp/tokugawawakou/entry-12190901530.html (Ameba blog)
随筆者の氏名は知らぬが、
寿司屋の主人が夏に吊りしのぶを買い 永年かけ、ほぐして
苔を張り付け 美しい 羊歯の盆栽をこしらえている と 素敵な文と共に写真が添えられていた
それが 美しかった
其処から数十年 不惑の年、
駅の階段横の植えこみの草花しもに しのぶが延びかゝっているのを見付け
件の随筆と写真を思い出し
しと株 貰ってきた
平鉢に植えて 無精故に水だけだったが
十数年 幾つもの株に増して
毎年新芽をだし
夏の間じゅう清々としていた
住み替えにも持ってきたが、
二年ほど前に絶へ、叉手に入らぬかなと偶さかに考えており、
見付けても出先中では持つことも叶わず 今に到っていた
夕立に追われて 進む中
浅草寺裏手 待乳山近くで信号待ちの間、
金魚屋の見世先売りの草木に
常磐しのぶ があった
二百十日が過ぎたならば 苔と鉢を探そう
叉 有予年 残るか 夏
「しのぶ その後」洛中思案 (アメーバ)
随筆者の名は知らぬが…と、数年前冒頭に書き出し、
今回も同じ書き出しに使ったが、
中村吉右衛門氏
馴染みの店で見る しのぶ の美しさを表した文に
感化されしのぶが欲しく為った話し
廿代の頃 吉右衛門氏の文に感銘し
しのぶが欲しかった
本年数枚ほどの葉から 植え替えのちに此処までに為った
晩秋となり室内置きにしている
鉢と共についてきた蝿取り蜘蛛が
たまに側に来て 跳ねている